「夏は暑くて眠れなかったけれど、涼しくなればよく眠れるはず」
そう思っていたのに、9月になると、
「なかなか寝つけない」
「夜中に目が覚める」
「朝早く目が覚めてしまう」
「寝たはずなのに疲れが取れない」
そんな変化を感じることはありませんか?
実は、睡眠は季節の変化と無関係ではありません。
日本人を対象とした研究でも、睡眠時間や睡眠の問題には季節による変化がみられることが報告されています。
今回は、なぜ9月頃から睡眠のリズムが変わりやすいのか、その原因と対策についてお話しします。
9月の「眠れない」は、なぜ起こる?
秋の睡眠に影響する大きな要素の一つが、日照時間の変化です。
夏に比べると、9月以降は少しずつ日が短くなっていきます。
光は、私たちの体内時計を調整する重要な刺激です。
朝に光を浴びることで体内時計を整える方向に働く一方、夜に強い光を浴びると、眠気が訪れるタイミングに影響することがあります。
東北大学病院の睡眠医療センターでも、秋から冬は日照時間の短縮によって体内時計のずれが表面化し、「夜になっても眠れない」「朝起きられない」などの睡眠・覚醒リズムの不調が現れることがあると説明しています。
「夏の疲れ」が睡眠に影響することも
もう一つ考えたいのが、夏の間に蓄積した疲れです。
夏は、
・暑さで体力を消耗する
・冷房の効いた場所と屋外を行き来する
・冷たい飲み物や食べ物が増える
・夜更かしや睡眠不足になりやすい
・食欲や生活リズムが変化する
など、身体にとって負担の多い季節です。
9月になって暑さが少し落ち着いても、身体の疲れがすぐにリセットされるとは限りません。
そのため、「涼しくなったのに、なぜか眠れない」「寝てもスッキリしない」と感じることがあります。
朝晩の気温差にも注意
9月は、昼間はまだ暑いのに、朝晩は涼しくなる日が増えてきます。
こうした気温や環境の変化は、睡眠にも影響します。
睡眠中は身体の深部体温が自然に変化し、そのリズムが眠気や睡眠の質と関係しています。
そのため、寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、眠りが妨げられることがあります。
「もう秋だから」と冷房を急にやめるのではなく、その日の気温に合わせて寝室の環境を調整することが大切です。
自律神経と睡眠の関係
睡眠と自律神経も深く関係しています。
私たちが眠っている間も、自律神経は心拍や血圧、呼吸などを調整しています。日本睡眠学会でも、睡眠の深さと自律神経の活動には密接な関係があることが説明されています。
季節の変化だけで自律神経が「乱れる」と単純に考えるのではなく、気温差、生活リズム、ストレス、睡眠不足など、さまざまな要因が重なって身体の調整に負担がかかることがあります。
だからこそ、9月は「眠れなくなったから何とかする」のではなく、睡眠の土台を整えておくことが大切です。
9月の睡眠を整える5つのポイント
① 朝起きたら光を浴びる
朝起きたらカーテンを開け、できれば屋外の光を浴びましょう。
朝の光は体内時計を整える大切な刺激になります。
② 起きる時間を大きく変えない
休日だからと大幅に寝坊すると、睡眠リズムが乱れやすくなります。
毎日なるべく同じ時間帯に起きることを意識しましょう。
③ 軽く身体を動かす
適度な運動を習慣にすることは、寝つきや睡眠の質にも関係します。厚生労働省も、適切な運動や入浴、光の浴び方などを快眠につながる生活習慣として紹介しています。
ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられるものから始めてみましょう。
④ 夜は強い光を避ける
寝る直前までスマートフォンを見る習慣がある方は、少しずつ使用時間を短くしてみましょう。
「眠れないからスマホを見る」が、さらに眠気を遠ざけることもあります。
⑤ お風呂で身体を温める
入浴は、身体をリラックスさせる時間にもなります。
寝る直前ではなく、就寝との時間を少し空けて、ゆっくり湯船につかるのもおすすめです。
東洋医学では「秋の養生」を大切にします
東洋医学では、自然界の季節の変化と身体は密接に関係していると考えます。
夏の「活動的な時期」から、秋は少しずつ身体を落ち着かせていく時期。
睡眠を十分にとり、無理をしすぎず、季節に合わせて生活のリズムを整えていくことが大切です。
特に、
「夏からずっと疲れが抜けない」
「眠りが浅くなった」
「朝スッキリ起きられない」
「夜になると頭が冴えてしまう」
という方は、睡眠だけを見るのではなく、身体全体の状態を見直してみるのもよいでしょう。
鍼灸で身体のバランスを整える
シャローム鍼灸院では、「眠れない」という症状だけを見るのではなく、肩や首のこり、冷え、疲労、ストレス、生活リズムなども伺いながら、一人ひとりの身体の状態に合わせて施術を行っています。
東洋医学では、同じ「眠れない」という悩みでも、その背景にある身体の状態は人によって異なると考えます。
「寝つきが悪い」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚める」
「寝ても疲れが取れない」
など、睡眠のお悩みがある方は、まず自分の睡眠パターンを記録してみるのもおすすめです。
そして、9月からの睡眠の変化を感じたら、夏の疲れをそのままにせず、少しずつ身体を秋のリズムへ切り替えていきましょう。
「眠れないのは年齢のせい」と諦める前に。
季節が変わる今こそ、身体と睡眠を見直してみませんか?
※不眠が長く続く場合や、日中の強い眠気・生活への支障がある場合は、睡眠障害などの可能性もあるため、医療機関への相談をおすすめします。
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