東洋医学から見た「暑熱順化」のすすめ
今年の夏は、まさに“灼熱”という言葉がぴったりの猛暑が続いています。
急な暑さで体がついていかず、日中のだるさ・食欲不振・寝苦しさなどに悩む方も多いのではないでしょうか。
そんな中、大切なのが 「暑熱順化」 です。
暑熱順化とは?
暑熱順化とは、体が徐々に暑さに慣れていくこと。
本来は暑くなる前から、少しずつ準備することが大切です。シャローム鍼灸院でも5月6月から、ブログなどで繰り返しその大切さを伝えてきました。
具体的には、汗をかく機能や血管の拡張能力が向上し、効率よく体温を下げられるようになる状態を指します。
この状態になると、
- 少ない汗でしっかり放熱できる
- 心臓への負担が減る
- 疲れにくくなる
といったメリットがあります。
東洋医学的にみる「暑熱順化」
東洋医学では、夏は 「心(しん)」 の働きが盛んになる季節とされます。
心は血液循環や精神の安定を司る臓で、夏の強い陽気に影響を受けやすい存在です。
急な猛暑にさらされると、心の働きが乱れ、ほてり・不眠・動悸・イライラといった症状が出やすくなります。
暑熱順化は、心と体を徐々に夏モードへ整える“ならし運転”のようなもの。
つまり、「陰陽の調和」をゆっくり変化させていくプロセスです。
暑熱順化のステップ
暑熱順化は、真夏にいきなり始めても効果が出にくいのが特徴です。
理想は 5〜7日間かけて少しずつ。以下の方法を組み合わせるのがおすすめです。
1. 軽い発汗習慣
朝や夕方の涼しい時間に15〜30分のウォーキング。
軽く汗ばむ程度の運動がベスト。
東洋医学でいう「衛気(えき)」が鍛えられ、外気温に強い体になります。
2. 温冷のメリハリ入浴
ぬるめ(38〜40℃)のお湯に10分以上浸かり、最後に水シャワーを足首・手首だけにかける。
これで血管の開閉がスムーズになり、巡りが整います。
3. 発汗を助ける食材
- きゅうり・スイカ(清熱・利尿作用)
- 生姜(発汗を促す)
- 麦茶(体を冷やさず潤す)
水分は“がぶ飲み”ではなく、こまめに少量ずつ。
4. ツボ押しで巡りアップ
- 労宮(ろうきゅう):手のひら中央。心の熱を冷ます。
- 足三里(あしさんり):膝下外側。全身の気血を補い、夏バテ予防に。
暑熱順化の落とし穴
- 無理な運動は逆効果(熱中症リスク大)
- 発汗後の塩分補給を忘れない
- 冷房の効きすぎた部屋に長時間こもらない
まとめ
暑熱順化は「夏の体」をつくるための準備運動。
東洋医学の視点を加えれば、ただ暑さに耐えるのではなく、季節と仲良くなる知恵として日々に活かせます。
今年の猛暑も、少しずつ体を慣らしながら、元気に乗り切りましょう!
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