雨が続く季節になると、なんとなく体が重く感じたり、疲れやすくなったりしませんか?実はこの時期特有の不調の原因の一つに、「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる、東洋医学の考え方があります。湿邪とは、体に余分な水分や湿気がたまることで起きる不調のこと。胃腸の働きを乱し、冷えやむくみ、だるさ、さらには気分の落ち込みにまで影響すると言われています。
そんな時に心強いのが、食を通じて身体の陰陽理のバランスを整える「食養(しょくよう)」という考え方です。特別なことをする必要はありません。日々の食事の中に、体を温め、余分な水分を排出してくれる食材を取り入れることで、体調を自然に整えていくのです。
たとえば、発酵食品のひとつである「甘酒」は、この時期にとてもおすすめ。“飲む点滴”とも呼ばれる甘酒は、腸内環境を整える栄養素が豊富に含まれており、体を内側から温めてくれます。冷えや疲れ、胃腸の不調が気になる方は、朝の一杯を習慣にしてみてはいかがでしょうか?無添加のものや、米麹からつくられたノンアルコールタイプなら、お子様とも安心して取り入れることができます。我が家ではこの時期、ご飯を炊いた時に麹を混ぜて、ヨーグルトメーカーで発酵させて甘酒を作っています。
鍼灸では、このような内側のバランスを整えることも大切にしています。体の巡りを良くし、胃腸や自律神経の働きをサポートするツボへのアプローチで、食養や腸活の効果をより高めることができます。
「最近なんだか調子が出ないな」「疲れが取れにくいな」と感じている方。まずは今日の食事から、ひとつ、体にやさしい選択をしてみませんか?雨の日が続くこの季節こそ、自分の体と向き合い、やさしく整えていくチャンスです。