梅雨が明け、暑さが本格化するこれからの季節。人間同様、ワンちゃん・ネコちゃんもエアコン冷えやストレス、運動不足で体調を崩しやすくなります。特にワンニャンは、地面との距離が近く、地面の熱の影響を受けやすいです。
そんなとき、自宅で手軽にできる「アニマルマッサージ」は、東洋医学の考え方を取り入れてペットの健康をサポートするセルフケアです。日本では動物への鍼灸には獣医師免許が必要で、鍼灸師が行うことはできませんが、飼い主さん自身による優しいマッサージなら、安心して取り入れられます。今日は、そのメリットと具体的な手順をまとめました。
1)アニマルマッサージのメリット
- 血行促進・筋肉の緊張緩和
やさしく撫でたり、軽い押圧をすることで全身の血流がアップし、夏場の冷えやだるさを和らげます。
- 自律神経のバランス調整
ゆったりとしたリズムでマッサージすることで、緊張(交感神経優位)からリラックス(副交感神経優位)への切り替えを促します。
- 飼い主さんとのスキンシップ強化
手のぬくもりと触れ合いは、ペットに安心感を与え、信頼関係をより深めます。
- 関節・筋肉トラブルの予防
運動量が減りがちな猛暑の時期に、関節周囲の柔軟性を保つのに役立ちます。
2)準備と注意点
- 環境づくり
静かで涼しい室内。床に滑り止めマットを敷き、ペットがリラックスできる場所を選びましょう。
- 道具
手のひらだけでOK。上級編として、手に入るようなら棒灸も使ってみましょう。
- ペットの様子を見る
痛がったり嫌がったりする部位は避け、必ずペットの表情や声を確認しながら行いましょう。
3)基本ステップ
ステップ1:呼吸を合わせる
まずはペットの横に静かに座り、深呼吸を繰り返しながら心を落ち着けます。ペットがリラックスしている呼吸リズムに合わせ、自分の呼吸もゆったりと。
ステップ2:全身の軽擦(撫でる)
手のひら全体で、背中から首、腰、お尻、太ももへと軽く撫で下ろします。皮膚に垂直ではなく、毛並みに沿って行うと心地よく感じてもらえます。
ステップ3:ポイント押圧(ツボ刺激)
東洋医学的におすすめの簡単ツボを2つご紹介します。
- 頸椎下(けいついか):首の付け根、背骨と肩甲骨の間。緊張をほぐし自律神経を整えます。
- 足裏ケア:肉球まわりや指間をやさしく揉むと、全身の気血の巡りが促進されます。
- 尻尾付け根:背中と尻尾の境目。百会(ひゃくえ)のつぼ。自律神経、メンタルに効果的。
指の腹を軽く当て、1~2秒かけて押し、1秒かけて離す「1・1呼吸」で3~5回ほど刺激します。
棒灸や、手軽にホッカイロなどで温めてあげてもとても喜びます。
ステップ4:関節まわりの運動サポート
関節を無理なく曲げ伸ばし、可動域をチェック。過度な痛みがなければ、優しく曲げ伸ばしてあげましょう。
ステップ5:仕上げの撫で
最後は再度全身を撫でながら、優しく声かけ。終わったらラブラブご褒美タイムを!
4)夏ならではのプラスαケア
- 保冷パックの活用:熱中症予防には、首筋や腋の下に保冷パックを数分当ててからマッサージすると喜びます。
まとめ
飼い主さん自身の手でできるアニマルマッサージは、ペットの夏バテや冷え対策にぴったり。器具不要、短時間で取り入れられるセルフケアなので、毎日のルーティンにぜひ加えてみてください。触れ合いの中で深まる信頼と、涼しい夏を乗り切る元気な体を、アニマルマッサージで育んでいきましょう!